CC.262.螺旋鞠【Chrono Chronicle】
RasenQ
スライムたちの数が やはり多い
この部屋では 騒がしくなるし
手狭になるか
スライムたちのことは 先ほど
カードで連絡しているから
それほど驚かれないだろう
よし
「 スライムたち みんな
この部屋から出て 動き回っていい
他の仲間たちに 危害を加えないように
それから
用があるときは 召喚で呼び出すからね
基本 ここもそうだけど 入れない場所がある
入らないようにしてくださいね 」
スライムたちは わかった という感じの
動きの意思表示をしている
私は 扉を開き
スライムたちを見送る
ふぅ エリクシールをひと飲みしてから
今後を考える
防衛システム や 情報整理
称号やジョブなど 仕様のことも知りたい
など
「 いろいろ考えて
手を打っておきたいが どうしようか
悩んでもしょうがない ここは
体でも動かそう 」
自分を励ますように言って
鍛練場へ転移する
鍛練場では 人影がある
ユリィーが 配下の機兵と 模擬戦闘中だ
ユリィーは 私に気づいたが
すぐに 構わなくていいと 制する
私は鍛練場の 脇の方に 陣取って
身体を動かしていく
少し体があたたまった感じになり
気を扱う 気を放ち発する
まわりの空気や壁が 少しだけ
ビリビリと震えているような気がする
やばい ちょっと力が強かったか
ちょっと抑えてみる
よし このまま維持しながら
身体を動かし続ける
身体の動きをしていたが
今度は 動かないようにして
エネルギーを高めていく
やばい また 気の放ちが
広がりそうだ けどあまり
広げて 影響を出したくない
ならと
広がらないように 範囲を狭めるようにする
もちろん 気を放つこと発するを 増大させていく
気の高まり 覇圧 と似ている
そういえば 覇圧との違いって何だろう
そう考えながら さらに継続していく
鍛練場が丈夫だといえど 限度もある
あまり気が高すぎて 壊す可能性がある
修復できなくもないが 安易に壊したくもない
自分と自分まわりに 気が高まっている状態
でも もっとエネルギーを出して
すっきりしたい気持ちもある
どうしようか
ある意味 矛盾している状況だな
気というエネルギーを放つ発するが
範囲を留めたり狭めようとしている
結果 圧縮した気の場が生まれている
また 自分から放ちたい発したいも
あるが 壁にぶつけて破壊したくない
出すけど 当てたくない
そうだと あるアイデアを思いつく
小さな気のエネルギーを
ゆっくり出す それをまるめるように
曲げるように出していく
くるくるとさせて 環のようにしていく
回転のエネルギー
ではこれではどうかと
メビウスの輪のようにもしてみる
できた 気のメビウスの輪
エネルギーのメビウスの輪 だ
だが ちょっとだけ
動きが面倒な感じだな として
環の回転に 再度おこなう
気の輪 エネルギーの輪
まるで 天使の輪っか
エネルギー密度が高い環だ
これがいいかな と
思いつつも さらに見つめている
でも なんだか
そう思っていると
鍛練場に ルティ アリス
クロエ サクラ が入ってきた
さっきのエネルギーを放ったことで
来たのかもしれない
ルティがなんだかはしゃいでいる感じだが
視線を 気の環に戻す
何か あと そう思いながら見つめる
それから 輪というところから
さらに圧縮した 空間的に
小さくできるかなと 思う
気の環はそのままにして
もう一つの 気を操る
回転はいいアイデア
そして メビウスの輪が
すこしだけ面倒な感じ
ではと 新たなエネルギーの
流れの輪を ゆっくりと扱いながら
少しだけ回転をズラす
環から まるい球のような感じにみえる
ズラした回転を速めてみると
球のようにみえる
これなら より気のエネルギーや
加速エネルギーを 増加させながら
空間的に少ない範囲にできそうだな
それにこの回転は
かなり制御しやすい感じだ
エネルギーが強いが乱れ暴れる
ようなものでなく
秩序ある奔流 という感じ
整った回転がある
むしろ 整っているからこそ
膨大なエネルギーを制御できる条件かな
回転しているがズラした回転
これは螺旋のエネルギーだね
ステータスの 情報処理能力で
さらに制御できると感じる
この 気のエネルギー を
さらにいくつか 放ち発する
当然このズラした回転に則って行う
さらに 強力な球状の気のエネルギー
最初の 気の高まりから
メビウスの輪 天使の環
では 感じられないほどの
別ものの圧縮された 高密度のエネルギー
ズラした回転のエネルギー つまり
螺旋の回転のエネルギー
いくつもあるが 細かくみると
それらはさらに 整列されたエネルギーの奔流
手のひらで浮かぶ
螺旋の球は 輝いている
この手のひらのうえで 静かに浮かぶ球に
天使の環 のエネルギーを
調整しながら 取り込ませる
この輝く球は かなりいい
秩序ある制御
これは 一度慣れると多用できそうだ
それに 螺旋の調整で
エネルギー操作もしやすい
力を増加させることで 球の圧縮や増大を
制御やコントロールできる
静謐さに惹かれたのか
アリス クロエ サクラが
駆け寄ってくる
ユリィーと ルティは
3人を制止しようとしているが
なにか怖がって 距離をとろうとしている
むしろ 戦闘好きの2人が
我先にと 来るようなものだが
とりあえず気にせずにいる
「 クロノ様 何をしているのですか? 」
「 何ですか その光る球は? 」
「 クロノ君 アイテムのこと ありがとう 」
3人には 見つめて返す
サクラには さらに頷いて返礼したが
同時に言われてしまい 少し困惑気味になる
興味深そうなアリスが
螺旋の球に 触ろうとしている
「 これには 触らないように
大けがします 」
と すぐさま 制御している手を振り上げる
「 ごめんなさい クロノ様 」
3人へと見まわし 大丈夫です
ゆるしていますと 微笑み頷いてみせる
「 クロノ君 それは何? 」
これって 何とサクラに聞かれて
螺旋の球かな どう答えるか考える
「 まるで鞠ですね それ 」
とクロエが言う たしかに鞠っぽい
そうだ
「 これはですね 螺旋鞠 といいます 」
と さっと3人に応えた
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