183.星空の剣
鍛練を終えてから
次元城を 見て回る
白亜の城内を歩きつつ
イメージを膨らませていく
ここは こうしようかな
あれをしようかななどと
城づくりのことを 考えつつ
静かに歩いている
大広間に着き
ざっとUIのウィンドウで
城内の見取り図を展開閲覧する
まだ城内区画も整備しきれていない
魔法で すぐ建築や模様替えができる
いや あってよいものは
もっと明確に 作成もありかもね
ユリィーは 先ほどまで
鍛練で一緒だったし
聖導師は 多分いろいろ
考えたり 提案もしてくれる
だろうから 暫くはいいとして
クロエとアリスは
どこで何しているだろう っと
城内マップで見てみる
位置把握する
部屋のなか 窓際かな
私も 大広間から 窓へと近づき
空へと視線を向ける
転移 視界のなかの
上空場所に 一気に瞬間移動する
彼女達からは 私は見えない
ところから ふたりの部屋の方を見る
彼女達は それぞれが
物思いに耽っているようにも
空を眺めているようにも見える
微かな煌めく光がある 暗闇の空
眺めているのだろうか
思い出しているのだろうか
憂いているのか
暗中模索しているのか
希望を見い出そうとしているのだろうか
だけど なんとなく私には
彼女達ならば
自分が どうありたいかみつめ
悲劇や災禍に 見舞われたとしても
乗り越え 振り払い
成長していけると 信じて居る
私は クロエとアリスの
想いが零れないように
手を 彼女たちの方へ伸ばす
何かを掴むように
そして
願いながら 星空を見上げる
瞳に クロエとアリスが
写っていたかもしれないと微笑む
そう思いつつ 瞼をゆっくりと閉じる
パチリと 目を開けてみる
何かを握っているような感覚
手にそれぞれ1つずつの同じもの
それを 顔の前まで持ち上げる
これはまるで
星空そのものと見紛うばかり
星空に溶け込むような
星空と一体となるような剣
透明のようでもあり
暗闇のようであり
だが微かな星の光が輝き
不思議な穴のようなものもある
そして
この剣には 意志がある
これは 何だろうと思い
UI ステータス確認する これは
星空の剣