174.和む輪
ふぅと息を吐き
「あらためまして 私は クロノ といいます
魔導師など いろいろやっております
あちらに ひかえてくれている女性は
ユリィーといいます
ユリィー こっちへおいで」
「はい マスター」
駆け寄ってくる
「こちら アリス・ペンドラゴンさん」
「マスター クロノ様の従者で
ユリィーと申します 以後よろしくお願い致します」
「アリス・ペンドラゴンと申します
こちらこそ よろしくお願い致しますわ
ユリィーさん」
慣れた感じで 優雅に貴族的な挨拶している
流石だね
「あのう ここはどんなところでしょうか」
アリスの疑問に
どうこたえようか 迷うなぁ
今ここに長居するつもりがないので
次元城で いいだろうなと思う
「ここは浮遊城の広間です
そして これから帰るつもりです」
そう答えると
「そうなのですね 一緒に連れて行ってください」
すこしばかり 心を強くして話してくれている
「わかりました では帰えるようにするよ」
アリスと 次いでユリィーに目配せする
次元を渡るときは 多分 手を繋ぐか
私のパーティなど 関係があることが
同行できるのだろうと より強く推測できた
よって 手を繋ぐか パーティ編成だ
あと 先ほどの 介入干渉されないように
術式展開のときの 改善をしておかないと
できるだけ トラブルないのがいいからね
浮遊城を 見回す
「ほかに なにかすることあったかな
わすれものないかな では帰城しようか」
アリスは 何かこちらを見ている
次元のカーテンを出す
「さぁ アリスさん 手を繋いでもらえますか」
手を差し伸べる
アリスさんは カーテンを見てから
「 はい」
手をとってくれた
ユリィーにも 手を差し伸べる
「はい マスター」
けっこう早く 手をとってくれた
気持ちのけ反ったので
そのまま 背中から ふたりを引き入れようかな
アリスは こちらとユリィーを
見ながら 合わせてくれている
先に入れば アリスの不安も
和らぐかもしれない
あと
「ユリィー アリスさんの手とも
繋いでくれないか」
ユリィーが アリスへ手を差し出す
アリスも 手をだし しっかりと手を取る
すこし和んだ雰囲気になる
「ふたりともありがとう では 帰城しよう」
カーテンの中へ 三人の輪が入り込んだ