171.次元念話
「今すぐかい」
「だめでしょうか」
若干 しょんぼりめな感じで言っている
あぁ この前は留守だったからな
見ておきたい気持ちもあるんだろう
「それじゃ 行こうか 準備あるのかな」
「このままで大丈夫です」
彼女がそういうならと
次元のカーテンを出す
「じゃぁ 浮遊城にしよう」
ユリィーは コクリと頷き 手を繋いでくる
「はい どうぞ」
手を繋ぐ
幕を分け 入り込み そして
浮遊城へ 到着
「ここが 浮遊城だよ しばらく
城内を見て回ってもいい」
「えっ はい ですが そばにひかえます」
では かるく案内でもするか
「基本的に城内の感じは 次元城と
雰囲気は それほど変わらないと思う」
付き従って ときおり 眼光鋭く視ている
都市を眼下に見れるところにいく
「この真下が 神聖都市ミッドワルドだよ
中央に三角錐みたいなモニュメントを建て
その場所にも 転移のマーキングをしている
この浮遊城と同じようなマーキングだ
それぞれ 転移できると思う」
「承知いたしました」
「うん 連れてこれてよかったよ」
「ありがとうございます マスター」
城内に戻ると
《 クロノ様 マスター クロノ様 》
あれ 聖導師の念話が聞こえる
でも ここにいる気配が 無い
― 聖導師かい 念話が聴こえるかな ―
《よかった 聴こえます マスター
今どちらにいらっしゃいますか》
そうだった 今 次元を渡っていて
あれ でも
―神螺パーティは組めなかったよね 聖導師―
《そうだと思います》
ステータスチェックしても 神螺パーティに
なっていない
だとしたら
―推測だが 浮遊城のマーキングと
関係しているのかもしれない 通信ができる
ちょっと浮遊城結界外へ出て もう一度
話しかける 応答確認してくれ―
《イエス マスター》
「聖導師と通信している
ユリィーはしばらく待機」
ユリィーは 即座に応える
私はふわっと飛び出し 結界外へ出る
―聖導師 聴こえるかい どうだい ―
何も応答がない
推測はそれほどはずれていないだろうな
浮遊城結界内に 降り立つ
―聖導師 聴こえるかい―
《はい聞こえますが さきほどしばらく
何も聞こえませんでしたが やはり 》
―そうだね 結界外から話しかけたけど
どうやら通じないみたいだね
でも よかったよ 聖導師とコンタクトとれる―
《イエス マスター ところで
お一人でミッドワルドへ》
―いや 今ユリィーといる 急遽来ることになり
連絡はしなかった 心配かけたかな―
《いえ マスターがご無事ならなによりです》
―ありがとう しばらくしたら帰還する―
《では 失礼いたします》
「ユリィー 聖導師とコンタクトがとれると
確認できた 今後いろいろはかどるだろうから
今回は これで次元通話 次元念話か
できることの発見はよかった ありがとう」
「お役に立てて何よりです」
なんとなく ユリィーの機嫌がよさそうだ
「では 帰還しよう」
「はい マスター」