CC.263.螺旋鞠vs龍玉【Chrono Chronicle】
RasenQ vs Dragonorb
アリス クロエ サクラが
「 らせんきゅう 」
といった感じで呟いてる
「 螺旋の鞠ということです
簡単にいうと
気というエネルギーを
秩序ある奔流とともに圧縮させた
球状のものですね 」
難しくもあるが 制御しやすいもの
この制御は 応用が効くと感じる
「 そんなに強い力なのに
思ったよりも静かですね 」
「 そうですね エネルギーの
流れや範囲を このボール状に
留めています その分
内部の圧が高まるというわけです
なので 触らないようにお願いしますね 」
3人は 小さくゴクリと息をのんでいる感じ
ちょっと驚かせすぎたかな
でも 危険なことに変わりないから
注意喚起として いいかなと思う
「 まだ螺旋鞠の制御をしたいので
退避していてください 」
はいと 3人は距離をとるように離れた
かわりに ユリィーとルティがやってくる
「 マスター その恐ろしい力は
一体 何なのですか 」
「 あるじー 凄い力だな
それほど 凄いのはあまり
見たことなくて びっくりしたぞ 」
ふたりを みとめ迎える
ユリィーとルティには
なんとなく強大な力を感じ取っているみたい
それに ルティは
似たようなものを知っているようだ
「 さきほど 気の操作
エネルギー操作をいろいろ試してね
これ っというか 螺旋の鞠
螺旋鞠ができた 」
「 螺旋鞠 ですか
もしこれで攻撃されたら
体がごっそりと破壊され
致命的なダメージを負いそうですね 」
そういって 興味深く見るユリィー
もう 戦闘のことを想定しているのか
研究熱心というか なんというか
ひたむきということかな
ルティの方は
すこし 唸るような感じから
「 これは
龍玉 に似ているな あるじ 」
「 龍玉 その龍玉というを知らないんだが
そんなに似ているのか? 」
「 わらわのような者たちが なす技のようなものかの
わらわが知っているのは 手に力を込めると
玉のようなものができる
それを使っていろいろ攻撃できるのじゃ
ちなみに わらわもできるぞ 」
かるく ドヤっている
でも さすが竜種というのかな
「 昔から 龍玉といわれているが
よく 龍の宝玉だという輩もいる
伝説の宝玉だとか 伝わっているそうな
龍の手に持っている宝玉は
莫大な富になるぞ とかなんとか
どこかで見た者が 宝玉として
勘違いしてのであろう
だが 龍玉とは 宝石の類ではない
技のようなものだ 」
ああ なるほど
龍のイメージとして 思い浮かぶものに
手に玉のようなもので描かれている
ような伝説もある あれが龍玉
そして それは宝玉という物でなく
技であり エネルギーの塊
そういうことか
「 だがな 主よ
先ほどから見ていたが
それは その螺旋鞠 というのは
ちと 龍玉とは異なる感じもある 」
キリっと真剣な表情のルティだ
うん 何か違うんだろうな
「 よかったら
その龍玉を みせてもらえるかい? 」
ルティにそう聞いてみる
ルティはすこし考えてから
私とユリィーから すこし離れる
「 いまから 龍玉を見せるぞ 」
そういって 気を高めている
両手を合わせように構えている
エネルギーの高まりを感じる
両手の間に ちいさな玉が出てきた
これが 龍玉 かと思い見守る
ルティは 力を込め続けている
龍玉が大きくなる
バチバチ エネルギーがはじけている
「 できたぞ 主 」
かるく興奮状態のルティが
龍玉をみせる
龍玉 螺旋鞠と同じ玉状のものだ
玉自体は 今出している螺旋鞠より
若干小さいサイズ感
そして まわりにもエネルギーが
バチバチと はじけている様子が
見てとれる
龍玉 これは強力だな かつ派手だ
螺旋鞠と比べると
一見強そうだが 螺旋鞠のほうが
エネルギー度合いでいえば強いと感じる
それは ルティも 内心では同感の様子だな
「 これが 我の龍玉じゃ 主 」
興奮状態でかるく汗をだしている
ルティは 龍玉を披露している
傍目からみたら ルティの龍玉が
強くみえるが 私の螺旋鞠が
上回っている
「 主 我の龍玉と
その螺旋鞠とで 勝負しようぞ 」
力の差があることを
感じ取っているだろうルティが
勝負を挑んできた
何か策があるのか 勝つための手が
他にあるのか わからない
だが
「 わかった その勝負受けよう 」
ユリィーは 複雑そうなだが
気持ちを切り換えて みつめている
私は すこし 位置取りするように歩きながら
「 ユリィー 審判を頼む 」
「 はい マスター 」
私は 位置につき構え 集中する
「 感謝する 主よ 」
ぽつりと ルティが呟く
「 では はじめ 」
私と ルティは 互いに
相手に向かって 突進して
螺旋鞠と龍玉が ぶつかりあった
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