CC.267.銃が遠距離武器なんて誤解【Chrono Chronicle】
Misunderstanding that a gun is a ranged weapon
「 マスター もしよろしければ
手合わせをお願い致します 」
「 わかったよ 武器は何がいいかな 」
練習相手をすることにした
「 小さくてもいいので
螺旋鞠を あと 銃も お願いします 」
「 銃ね わかったよ
螺旋鞠については 小さくても
殺傷能力が高いからね そうだ
密度を低くした螺旋鞠ならいいかな 」
「 では それでお願い致します
マスター 」
螺旋鞠は 大きい方が破壊力があるが
小さくても 圧縮されたエネルギーだから
ぶつける箇所によっては 大ダメージだからな
模擬戦には 圧縮密度をおさえたものなら
すこしは マシかもしれない
まわりには 先ほどのみんなが
それぞれ見守ってくれている
「 審判役はなしでいこうか 」
「 はい マスター 」
やはり ユリィーは 戦闘が好きなんだな
なんとなく 表情がよろこんでいる気がする
見合った後 ユリィーが突進してくる
私は すぐさま 小さい密度の低い螺旋鞠を
術式で発動 よし制御はいい
反撃に向かう
ユリィーの剣速がはやい あぶない
あわてて 避ける
螺旋鞠をぶつけるまでに いたらない
速くて強い が 練度が増しているのか
また少し強くなったみたいだな
「 また一方的にやられるかもな 」
「 螺旋鞠 当てられますか 」
いい挑発だ
たしかに 螺旋鞠は強いわざに
数えられるだろうが
体術の延長といえる部分があるからな
体術のレベル差が あれば当然
当てることができないとなり
当てなければ ダメージを与えられない
そして 接近や体術では
まだまだユリィーが優勢な状況では
強力なわざでも脅威ではなくなる か
戦闘するまに ユリィーの攻撃をくらう
剣盾に体術 じょじょに追い詰めれている
反撃してはいるが 有効な攻撃になっていない
ちょっとあれをしてみるか
「 散 」
螺旋鞠の形態を 変化させる
ユリィーは 一瞬焦ったようだが
すぐ態勢を整えて防ぐ ある程度の
ダメージは入ったが これまた
有効な攻撃にならないな
エネルギーを分散したから
攻撃範囲は広がるが 威力が落ちる
螺旋鞠の散に構わず 攻撃が迫りくる
それをギリギリで避けて 飛び退く
「 次は 銃で行くよ 」
スッ 2丁拳銃 魔法銃を取り出し
氷魔法でいくつもりだ と
撃ちながら突撃する
盾で防ぎつつ 機会を窺うユリィー
銃撃と体術を織り交ぜながら
たたかう 銃闘術
銃の間合いにならないように
剣の間合いの接近戦へと
するつもりのユリィー
私は 剣の間合いのならないように
内側の さらなる超接近戦へ
持ち込む
氷弾や氷の魔法を放つ銃
体術 回避やひじやひざを繰り出す
じょじょに形勢を 五分五分へと
押し戻すようにしていく
銃があると さすがに手数が増すからね
超接近戦をしばらく続けて
互いに目を合わせる そして
頷き合う
バッと 離れて
「 ありがとうございます
マスター 」
「 こちらこそ ありがとう
ユリィー」
戦闘終了だ
メイドから タオルを
バトラーから 飲み物を
差し出してくれる
「 ありがとう 頂くよ 」
アリスが 銃をマジマジと見ている
「 魔法銃だよ 」
「 遠距離の武器として
発揮しそうですね 」
「 まぁ 本来的には
遠距離武器に分類される かな 」
汗をふきつつ 飲み物頂きつつ
応える
「 接近には不利なのですね
でも さきほどのは
そうは見えませんでした 」
スライムの回復水玉のカードで
回復をはかる
「 銃の接近戦は不利 それはそうだけど
人によっては そうでない場合もある
私の場合は 体術と銃術を組み合わせている
銃闘術を操る これは
体術の遠距離不利と 銃術の近距離不利を
解消できる戦闘方法ともいえる 」
「 そんな戦い方が あるのですね 」
感心しているアリス
まわりは 黙って聞いている
メイドとバトラーの一部が
なんだが 怖い
「 銃を使うなら もちろん
遠距離がいい 正解ですよ
ただ 私の場合は
銃が遠距離武器なんて 誤解だよ
銃だからと 油断し過ぎて接近すると
撃ち込まれます
その時々 戦闘シーンや戦術戦略で
運用も変えていかないとね 」
「 わかりましたわ クロノ様 」
魔法の銃だからできることでもあって
自分でも そうだなと再認識
銃に距離は関係ない かもね
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