220.侵入者へ平和主義者の甘い処断【Chrono Chronicle】
Pacifist sweet punishment for intruders
東屋に到着 椅子に座り
足元に 侵入者を寝ころばせる
ルティは まだ何かし足りない感じでいたが
もういいだろうと 落ち着かせた
糸銃フィーンで 少しばかり状態異常を軽くして
事情聴取できるような状態にする
もちろん 捕縛状態だ
「 もう気がついているでしょう 跪きなさい 」
ディオが一喝している
侵入者は すこし動かずにいたが
ゆっくり動き出し 跪いていった
ディオが 怖いよね うん
ステータスでわかっていることもあるが
まずは 自ら話すか聞いてみよう
「 素性とここに来た理由と目的を話せ 」
ちょっと強めの口調で問う
言語は伝わっていると思う 何も言わない
「 質問に答えたら ここへ来る前のところへ
還すことができると思うけど 」
「 わかった 話す話すから
お おれは 傭兵集団に雇われた斥候だ
ある場所に送り出す そこにはお宝があるから
いろいろ情報を取って来いとの 依頼だった 」
敵対的行動だな
「 お宝ね そんなもの無いと思うがな 」
「 どんなお宝なんて おれにはわからない 」
「 何にしても いきなり来られては
こういう対処になる 今回は還すが
次は 罰や罪があると心しておけ
わかったか 」
「 わかりました 来ません 」
「 還ったら その傭兵集団や関係者に
ここでの出来事の情報を 一切出すな そして
もう関わるのをやめた方が身のためだと伝言しろ
伝言者である自身に 関与したり
さらにこちらのことを
これ以上探ろうとしたり襲うとしたら
実力行使があると そう伝えるんだ 」
「 は はい 必ず伝えます 」
これで 安心して伝言するだろう
侵入者自身には 状態異常状態で
こちらの姿や声や形は 幻覚作用により
見たもの聞いたものは 加工されている
事情聴取の間も 念糸で接続している
糸からも 情報収集をしていた
「 念のため 装備はすべて没収だ
命あっての物種だぞ 」
「 はい 」
侵入者の装備や道具を 回収する
装備は気になるだろうが 早く帰りたい一心で答えてる
迷宮を一時的に通行制御して
原野の迷宮の出現サークル近く
侵入者の出現ポイントの残滓に 着く
「 しっかり伝言しろ 」
「 はい 」
念糸で縫い留めていた残滓から
少し通れるように 広げる
「 今 行け 」
奇声のような返事をして 帰っていった
この転移は 興味深い術式だな
あとで 研究してみよう
そう思っていると そばから
「 我が君 慈悲深い処断でしたね 」
「 あるじは もっと厳しくいかないのかー 」
いいたいことはわかる
「 たしかに 私の対応は甘いな
もっと厳しくしても変ではないと思うが
平和主義でいたいんだよ できるだけね 」
ディオと ルティは 普段はこうだが
なかなか苛烈なそうなところがあるから
こっちが少し甘くなるのかもしれない
「 念糸で情報収集しているのは
ふたりとも 気づいていただろう 」
「 はい 」
「 うん 」
「 情報だけでなく 侵入者自身が
もっと残酷な人なら 違った結果になったかもしれない
それに まだ極細の見えない念糸も 侵入者につけて
通している 送り還せば あちらの世界の情報収集も
できるだろうし 傭兵集団のこともわかることもあるだろう
そして 傭兵集団というからには 雇った者がいるということ
その背後のこともわかって 証拠も得られることが
もしかしたら できるかもしれない
伝言を聞いて すぐこちらに襲ってくることは
まずないだろう 実際どうなるかわからないが
今回は これでいいと思う どうかな ? 」
「 我が君の 慈悲深さと策謀は 素晴らしいです 」
「 すぐ襲ったとしても 返り討ちだー 」
ふたりとも 気持ち的に大丈夫そうだな よかった
「 さて これからも 防衛体制を
よくしていかないといけない 気を引き締めていこう
ルティ ディオ ともに次元城へ帰還する 」
ふたりの 賛意を受けて
あらためて 防衛を高めていこうと思い
次元城への帰途についた
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