197.次元刃について説明【Chrono Chronicle】
Explaining the dimensional blade
「 それまで 勝者 我が君 」
ディオが 高らかに 告げている
勝者我が君って あまり聞かないな
それにちょっと恥ずかしい
私は ルティの方へと振り向き ゆっくり歩み寄る
「 さきほど 渡した エリクシールを
飲んで 回復したらいいよ 」
ルティは ぐぬぬとなっているが
勝負は決したと 承知してくれているみたい
「 そんな回復より さっきのは何なのだー 」
そういって 問いただしてきた
クロエ アリス も
そう思っているような表情
ユリィー ディオ は 静かに推測している感じ
聖導師は沈黙しているが なんとなく
当たりをつけているような気がする
私は 体の調子をチェックするようにして
聖杯を取り出し 神水をかるく飲む
「 さっきのは 次元刃
読みとしては じげんじん
次元の刃 ディメンションブレード というような技だよ 」
「 次元刃 どういう技なのだ 」
自分のダメージより そこが気になるのか
一撃といっても 致命傷じゃないからね
どう言おうか
「 私には 次元銃という武器を持っているが
それと似た能力とも言えるかな
次元を越えるチカラがあって そのひとつに
今のような攻撃ができる といっても
今回は剣技として 試して
うまくいって 決まった ところかな 」
「 次元を越えるだって ずるいー 」
「 そうかもね この攻撃は
飛ぶ斬撃のように 視認性が低いというより
見えない攻撃 という ない攻撃
インパクトの瞬間まで 存在しない攻撃だな
見えないけど存在する攻撃 とは違う 」
「 その次元のチカラとやらで 時を止め
我が背後に移動 そして攻撃したのかー 」
まわりの皆も 問答に耳を傾けているみたい
いろいろ考えているみたいだな
「 いや 先の次元刃は
時を止め ルティの背後に移動して斬りつけ
また今の態勢に戻ってきたたわけではない 」
それもできないこともないか
なんとなく感じるが いまはいいか
「 では 何なのだ 」
戦闘狂的でありながら 聡明さがあるな ルティ
「 飛ぶ斬撃の 次元版にみたいな感じかな
斬撃を 次元のチカラで
時間空間を支配して 攻撃を行使する
要するに 攻撃を好きな時に好きなところに
できるということですね 」
「 攻撃が見えないが存在する攻撃 や
存在するが見えない攻撃 という類のものでなく
存在しない攻撃だから見えない 」
「 うん 攻撃が現出するタイミングまで
存在させないことができる攻撃
時を止めて 自分が動いて ということは
していないよ 」
「 やはり ずるくないかー 主ー 」
たのしそうに そう言うルティ
「 それは それをいつしたのだ 」
そう言って また聞いてきた
「 飛ぶ斬撃の前に したよ 」
ルティ ディオ ユリィーが
それぞれ あれかと気づいたみたいだ
クロエ アリス 聖導師は 沈黙している
「 斬撃を飛ばすためにと 構える
その構えの為に 剣を振ったでしょ あれです
意気込みを込めて 構えて 斬撃を飛ばす
その動きのなかの 最初に 空を剣で斬る
空振りが攻撃だったんだよ 」
「 空振りが攻撃 」
そう言って さらにたのしそうにいるルティ
さすが我が君となっている ディオ
ユリィーは 闘いそうにしているな
よし
「 では もう一度 やってみようか
ユリィーに 次元刃を放つ
時間と場所を伝えるから 避けてみてくれ 」
皆が ユリィーと私を注視する
ユリィーは まわりから距離をとり
真剣に構えている
私は 剣で空を斬る
見た目は 単なる剣の振りだ
空振りとも 見てとれる
「 ユリィーの背中右肩からの袈裟切り
5 4 3 2 」
ザッ
ユリィーが避ける動作をする
まったく何も知らない人が見たら
なにこの人 いきなり動いた 感じかな
「 どうだ ユリィー 」
「 完全には 避けきれませんでした
ありがとうございます マスター 」
満足そうにしている感じがする
よしとしておこう
「 うん お疲れ様 ありがとう 」
ルティとディオは よく観察している
「 次元刃でもっとできるのー 主ー 」
「 今回はここまでだ 今見た通り
避けることはできるから
弱点のようなこともあるからね 」
まだまだ 次元刃の 改善点や可能性はあるだろうな
剣をサッと振って 星空の剣をカード化する
皆が また 私を見ている
何 何だ あぁ
「 ごめんなさい 今のは 振っただけ
次元刃じゃないよ 」
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