願いと紡ぐ 君の物語 * Love, Adventure, Survival, Education, Kizuna, Wish. 言葉と愛する 魔法と生きる 詞と生きる

237.アリスのプロポーズ【Chrono Chronicle】

Alice’s marriage proposal

アリスが駆け寄ってくる

クロエは 静かにアリスと私を見つめているようだ

メイドやバトラーたちも 散会しようとしていたが

まだ 大広間に残っている

 

「 専属の守護騎士を配してくださり

 感謝致します クロノ様 」

丁寧に謝意を伝えてもらう

「 あぁ うん 守護する一環だし

 君たちを護る騎士がいてもいいかなと

 思ったから いいんですよ 」

専属騎士としていると

騎士は 主となった

アリス や クロエ に付き従い

優先して守護警護することになる

専属の守護契約だが 契約内容として

私が さらに本気で強力に命じることができるようにも

術式に 織り込んでいる

なので 専属守護の任が 変更できる権限が

私には ある そういうこともあるから

本当に 気にしなくてもいいと思っている

彼女たちを 元の世界に 無事還すことができるように

 

「 わたくしが 元の世界に戻るまで

 守護する騎士を付けるとの気遣いには

 感謝しております 」

え? アリス 今なんて

そう思っていると

「 しばらく還るつもりはありません 」

以前にも そんなこと言っていたような気がする

だけど 強くなりたいからであって

「 というか この世界にいます いえ

 クロノ様 貴方とともにこれからも居たいのです 」

 

な なに 何を言っているのかと困惑していると

どういうことだと 思って まわりを見る

クロエは じっと静かに見ている

なにか クロエは知っているのか

「 クロノ様 聞いてますか 」

アリスが詰め寄る 妙なプレッシャーがある

「 できる限りのことをしてくれる と

 言ってくださませんでしたか?

 わたくしを すぐ還したいのですか? 」

「 いやできる限りのことはするよ

 よかったら 居て欲しいとは 思って いるよ 」

なんだか焦る 変な汗がでているような気がする

「 わたくしも貴族の娘です

 このように尽くされて嬉しい限りです

 ぜひ婚約してくださせんか

 クロノ様 私はあなたとともにいたいのです 」

 

「 アリスの気持ちは嬉しいけど

 婚約は 」

- アリスは 貴族の娘として誇りがあると思います

 若い年齢ともみられますが 婚約事情などは

 よくある文化です -

リリンがそう補足するように話しかけてきた

- そうかもしれないが うむぅ

 婚約に関しての 意識の違いか

 でもだからといって 婚約はな -

リリンも沈黙する

「 クロノ様 わたくしは

 小さなお姫様でなく これから

 もっと素敵な淑女になっていきますわ

 クロノ様を お慕いしております 」

決意を込めて 告白してくれている

それほどか

小さなお姫様扱いしているところは

多少は 自覚できる

だが それでも今の好意が 若気の至りも

あるかもしれない

「 クロノ様 」

そう言って見つめるアリス

「 アリスの想いはわかった

 婚約は 仮婚約でもいいかな? 」

「 わかりました 仮婚約ですね

 クロノ様 これから二人の時は

 クロノと呼ばせてくださいね

 必ず 私に惚れさせてみせますわ 」

私は 気持ちを汲むように うん と応える

なんというか積極的なアリスに

終始おされていたな

- おめでとうございます マスター -

リリン いや なんとなくリリスが

そう言ってきた

ん もしかして リリスが

と思っているときに

「 おめでとうございます 我が君 」

ディオがそう言い

まわりのメイドやバトラーも

同じように言ってくれている

まわりを見わたし 首肯して応える

リリスが何か関係していたかもだが

大目にみよう

 

アリスは

クロエやユリィーやルティ のいるところへいき

なんだかはしゃでいるようでいるが

アリスとクロエは 互いに決意をもって

尊重し合い見つめ合っている様子が窺える

ふたりとも ステータスに

【 クロノの仮婚約者 】 の称号がある

なんとなく女子特有の何かがあるのかもしれない

 

 


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