願いと紡ぐ 君の物語 * Love, Adventure, Survival, Education, Kizuna, Wish. 言葉と愛する 魔法と生きる 詞と生きる

157.幸福になる虹色の羽根

《おはようございます》

「おはよう」

以前はそんな時間が過ぎていなかったが

今回はどうなんだろう

UI 時間カウンターをみる やはり

数秒も経っていないようだ

眠れた感じがするんだけど

気にしないことだね

― なんとなくだけど クロエさん

もうすぐ目が覚めると思う 部屋に行くよ ―

《承知いたしました》

「お疲れさま ユリィー」

すくっと立ち上がり

「マスター おかえりなさいませ

まだクロエさんは 眠ってらっしゃいます」

「うん そろそろ

目を覚ますんじゃないかと思っている」

ユリィーに 椅子に腰かけるよう仕草をする

遠めから寝顔を見つつ

ステータスウィンドウ確認や

今後を考える

ユリィーが こちらに顔を向けたので

すくっと ベッドの隣へ近寄る

静かに目を覚まして ぼんやり状況を

みているような クロエさんの様子が見てとれる

「おはようございます」

静かに挨拶をする

寝たままでいいよと 制する

しばらく こちらを見てから

「お おはよう ございま す」

ゆっくりうなずき返してから

「体の方は大丈夫ですか」

首を軽く こくりとする

「大丈夫です お世話になりました

ありがとうございます」

とりあえずよかった

「あの 見られたんですよね」

「ごめんなさい 見ました 綺麗でした」

すぐさま 真顔で答える

クロエさんは ハッと驚き照れている

可愛らしく でも精一杯の想いで

「じゃぁ いくつかお願いを聞いてくださいね」

パリィーン

ユリィーと聖導師から 僅かな何かを感じたが

まぁ大丈夫だよ 念話で応える

「あんまり無茶はできないですけど

わかりました」

もちろん受けない理由が多いのだが

ほっておけない感じもしたので

とりあえず できることをしてあげたかった

彼女が起き上がろうとしているので

支えようと身を乗り出す

「あ 何これ あぁ これって」

「どうしたんですか」

彼女の胸元に

虹色に 仄かに煌めき輝いている

羽根をみつける

「幸福になる虹色の羽根」

クロエさんは そう呟いている

私の羽根に似ている 虹羽根があった